応用統計学

アブストラクト


時系列工程管理技法に基づく管理状態からの逸脱の検出及び逸脱期の識別,99-120

竹本 康彦,有薗 郁生

要旨(英文要旨

通常工程の状態は当初管理状態にあり,それが何らかの要因により管理状 態から逸脱し,管理外れ状態に移行するものと考えられる.現工程の状態を判定す る場合,現工程から得られたサンプル・データと併せて,これ以前に得られていた サンプル・データを十分に活用して現工程の状態を判定することは有意義な方法で あるといえる.ここに,連続するサンプリングにおけるサンプル・データを活用し, 工程状態を解析する方法として,CUSUM 管理図やEWMA 管理図といった時系列 管理図法が存在する.ただし,従来の時系列管理図の検出特性の評価においては, 時系列管理図の適用にあたって,適用当初から工程が管理外れ状態であった場合の 検出特性が取り上げられている.これに対して,既述のように初期状態において管 理状態にあった工程が何らかの要因によりある時点から管理外れ状態に移行する状 況が一般的であると考えられる.そこで本研究では,まず工程の品質特性の管理状 態の分布からの乖離の程度をKullback-Leibler 情報量に基づき定量化し,これを打 点統計量として工程の状態判定を行う(x, s) 同時管理図をもとに,CUSUM 管理図 およびEWMA 管理図といったいくつかの時系列管理図を設計する.さらに,管理 図の適用当初から管理外れ状態にある状況のもとでの検出特性を評価する従来の研 究とは別に,管理状態のままでいくらかの時間を経過した後に管理外れ状態に移行 する状況を想定し,このもとでの管理外れ状態に対する検出特性を評価することを 考える.くわえて,管理外れ状態を検出するばかりでなく,工程の管理状態からの 逸脱期を特定することは品質管理・工程管理において重要な課題である.このこと に鑑み,工程を時系列的に解析する上述の管理図をもとに,情報量規準に関する概 念を応用し,どの時点において管理状態からの逸脱が生じたのかを解析的に識別す る方法を提案する.


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