
臨床試験における確率化の役割, 15-30
新野伊知郎・濱俊光・杉本知之
要旨(英文要旨)
臨床試験の基本目的は一般に,将来において検討対象の治療をうけること になる集団に対して適用できる,その治療の情報を得ることにある.確率化は,治 療の比較を前提として,精度と確度の高い情報を限られた資源のもとで効率的に得 るための,試験デザインの重要な要素の一つである.本稿では,臨床試験における 確率化について,その発展の歴史,目的と恩恵,そして確率化の正当性に対する批判 を整理・概観し,「なぜ確率化を行うか」,「確率化を経て得られるものは何か」, 「確率化の本質は何か」といったことを探る.