受賞の言葉

九州大学数理学府 川口 修治

 

 はじめに,コンペティションの企画運営に携わった関係者の方々並びに私の講演の審査をしていただいた方々にこの場を借りて感謝の意を表したいと思います.この度,コンペティションにおいて栄誉ある最優秀報告賞を頂き大変うれしく,身に余る光栄です.また様々なコメント,協力,励ましを頂いた皆様には厚く御礼申し上げます.

 近年取得されるデータの高次元化に伴い,様々な判別・特徴抽出手法が提案されています.とりわけBoostingは,シンプルな弱判別機を結合することで,複雑な判別問題に適用できる利点から,現在多くの分野において盛んに用いられています.AdaBoostは弱学習機を適切に選択することで,より高精度な判別結果が得られます.本研究では変数の線形結合やカーネルで作られる2群判別機(スタンプ)をランダムに生成し(ランダムスタンプ),弱判別機とすることで柔軟な判別機を生成することを可能としました.次にランダムスタンプによるAdaBoostの精度向上・安定化を図るため,教師データのランダムな分割及びテストリスクを用いたAdaBoostを提案しました.提案した手法は,シミュレーションデータのみならず,高次元の人工衛星観測画像の判別・特徴選択に対して有効な結果を示しました.特に,この結果がリモートセンシング関係の国際ジャーナル誌の結果を上回れたことが大きな成果です.今後は,本手法を他分野に適用することを目的としております.

 修士課程では(現在においても),主にリモートセンシング分野を研究発表の場としておりましたので,このような統計関連の大会での発表は今回が初めてでした.そのため,いままでの発表スタイルがこの場においても活かせるのかと萎縮していました.しかし,分野が違っても発表における基本的なポイントは同じであることを真に感じました.スライドは手法を明瞭に説明し,結果を重点に説明することに尽力しました.

 今後もこの賞を励みに,統計的方法論による手法が様々な応用分野における目覚ましい成果に結びつくよう,愚公移山の精神で日々研究に取り組む所存です.最後に改めまして,素晴らしい賞を頂き、本当にありがとうございました.